(2007年) 平成19年8月20日(月)
テロ対策措置法の延長問題


 テロ対策特措法は、平成13年11月2日に施行されたが、法律の期限が6年間であり、本年11月1日に法律は失効する。従って、期限延長ができなかった場合には、現在、インド洋に派遣している海上自衛隊の補給艦や護衛艦は引き揚げざるを得ない。テロとの戦いを国際協力の輪の中で行っている日本は、その国際協力の輪から抜け出ざるを得なくなるのだ。

 特措法の延長に反対しているのは、言うまでもない、民主党小沢代表だ。民主党は、これまでもテロ特措法については、@事前承認の国会のコントロールが不十分、A情報開示が不十分(海上阻止活動の成果など)、との理由で反対をしてきたが、小沢代表は、一番大きな問題は、国連のおスミ付きがないことだとする。

 私が防衛庁長官の頃にも、海上自衛隊のインド洋における活動は停止すべきとの意見があった。小泉総理からも活動を中止できないかとのご下問があった。私は、早速、シーファー大使と交渉した。

 大野―インド洋における日本の海上自衛隊の活動は、各国の船艦に油や水を配給するだけの「無料ガソリン・スタンド」(Free Gas Station)と言う向きがある。日本は、インド洋からそろそろ引き揚げるべきとの声も強くなってきている。

 シーファー−日本の給油活動があればこそ各国はテロ対策の活動ができるのだ。高く評価している。とりわけ、テロの温床となっているイスラム国家の中では、パキスタンが唯一のイスラム国家としてこの海上阻止活動に参加している。パキスタンは、日本の給油・給水活動がなくなれば、インド洋での対テロ国際協力である。日本に対し、感謝すると共に、パキスタンのことも十分考えてほしい。

 大野―日本では、インド洋における活動がどの程度テロ阻止に役立っているにか、疑問に思っている人も多い。いかなる効果があるのか、もっと情報を開示すべきである。

 シーファー−(情報開示について部下に指示したうえで)飛行機に乗る場合、必ず金属探知器を通らなければならない。金属探知機があるから、事故は防げているのだ。各国の海上行動は、この金属探知機と同じであり、抑止効果は高く評価すべきだ。
(事実、現場海域での不審船が減少している。不審船に対する無線照会の回数は、2004年には約四万一千回あったが、2004年には、約九千回となっている。)

 民主党小沢代表は、国連主導でなく(アメリカが始めた戦争だから)反対だとの主張のようだ。しかし、国連決議は数多く存在する。例えば、安保理決議1368では、国際社会に対し「テロ行為を抑止・抑圧するため一層の努力をするよう国際社会に求める」としている。

 日本の憲法との関係でも、自衛隊の行うインド洋での活動は、「非戦闘地域」で実施される後方支援活動であり、憲法上なんらの問題はない。しかし、ここで一番大切な留意すべきことは、テロを追放することを歴史の流れの中でどのように考えるかである。

 2001年9月11日のニューヨークでのテロ事件以来、戦争の概念は変わった。ブッシュ大統領は、テロを「新しい戦争」と呼んだ。ニューヨークの世界貿易センターを襲ったテロリストは、アメリカ人のみならず、日本人を含む多勢のアメリカ市民以外の命を奪った。国境を越えたいつどこからやってくるかも知れない、無通告、無警告のテロ行為である。

 これまでの戦争は、国益を守りための戦争であった。しかし、9.11を境にして、テロとの戦いは、国境を越えた人類益、国際益を守りための国際協力が絶対に必要な戦いである。だからこそ、国連は決議を行っている。だからこそ、テロ阻止の国際的な協力に参加することは、日本国憲法九条に反することなく、同憲法前文にある「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」という日本の真剣な「生き方」を象徴するものと信じる。

 民主党のみなさまには、ぜひご賢察のうえテロ特措法の延長に、ご賛同いただきたい。



大野よしのり事務所ご案内
[東京事務所] [丸亀事務所] [観音寺事務所]
〒100-8981
東京都千代田区永田町 2-2-1
衆議院第一議員会館432号室
 [TEL] 03-3508-7132
 [FAX] 03-3502-5870
 [e-mail] g00994@shugiin.go.jp
〒763−0082
香川県丸亀市土器町東1-129-2
[TEL] 0877-21-7711
[FAX] 0877-21-7701
[e-mail] y.ohno-marugame@almond.ocn.ne.jp
〒768-0022
香川県観音寺市本大町1797-2
[TEL] 0875-23-1231
[FAX] 0875-25-9539
[e-mail] y.ohno-kanonji@almond.ocn.ne.jp

(C) Copyright 2004 Office Yoshinori Ohno All Rights Reserved.