(2007年) 平成19年4月9日(月)
地方の活性化 〜若者よ、ふるさとに帰ろう!〜


 実感のない景気回復
 現在の景気回復の足の長さは、「いざなぎ」景気(一九六五年十月から一九七〇年七月までの五十八ヶ月)を超えた。しかし、生活実感がない景気回復と言われる。それもそのはずだ。実質成長率は、年率二・二パーセントであっても、名目成長率は、わずか〇・九パーセントである(いざなぎ景気では、名目十五・〇パーセント、実質十一・六パーセントであった)。月給は、目に見える形であがっていかない。家計消費も横ばい。ただ、家計の中で教育費だけは増えている。一九九七年を一〇〇とすれば、家計の中の教育費は、二〇〇二年には一五〇となっているのだ。家計を切り詰め、子供の教育に力を注いでいるサラリーマン家庭の姿が浮かび上がってくる。

 地域格差のある景気回復
 第二に、現在の景気回復を支えているのは、輸出である。従って、輸出関連製造業が存在する地域の一人当たり県民所得は高い。東京、愛知、静岡等が勝ち組である。逆に、製造業の出荷が低い県では、一人当たり県民所得は低い。例は、沖縄、青森、長崎等である。
 また、人口が増えている地域は、一人当りの県民所得が高い。人口構成を見ると、高齢者の比率が高い地域は、所得が低い。
 このような景気回復の地域間格差をどのようにして是正していくのか。政治の取り組むべき大きな課題である。

 若者よ、ふるさとへ帰ろう!
 若者が大学へ行く場合、殆どのものは、県外の大学へ進学する。東京や大阪の大学である。私のふるさと香川県でも百人中八十三人は香川県外の大学へ進む。それはそれでよい、としよう。
 問題は、大学を卒業した後、そのまま都会で就職をすることである。原因は、言うまでもない。田舎へ帰っても就職口がないことだ。さらに、若者が東京で就職し、田舎へ帰ってこないことは、今、日本が抱える少子化、女性の労働力、家族愛や教育など、深刻な問題と関係がある。
 第一に、東京では若者は人生の良きパートナーにめぐり合う機会が少ないのではないか。数字で見てみよう。結婚適齢期の二十五歳から二十九歳までの年齢層でみると、結婚をしない最悪の地域は東京であり、女性の未婚率は六〇パーセント。未婚率が一番低いのは秋田県で三〇パーセントである。少子化の原因の一つが結婚をしないということであれば、東京と秋田の未婚率の倍にものぼる格差はショックである。
 さらに、結婚はしても狭いアパート暮らしとなれば、赤ちゃんの夜鳴きが隣近所迷惑ということで、赤ちゃんを産むことに消極的にならざるを得ない。
 働く女性については、出産後、誰が子育て支援をしてくれるのか。企業もそれなりの対応はしているが、満員電車に赤ちゃんを抱えて乗るわけにはいかない。

 だから、若者よ、ふるさとに帰ろう。
 両親は、大歓迎してくれる。孫の顔を見て大喜びしてくれる。赤ちゃんの面倒もおばあちゃんがしてくれるから母親は安心して会社勤めを続けることができる。夕食の食卓を用意してくれる。子供達にとっては、常にふれあいがあるから、今われわれがもっとも心配をしている子供達の教育、特に人間愛や家族愛が自然にはぐくまれ、家族生活の中で子供達の躾が行き届く。

 三世代同居のすすめ
 特殊出生率が唯一改善しているのが福井県である。
 第一に、福井県は三世代同居率が全国で一番高い県である。同時に女性が働く割合も全国で一番高い。さらに一世帯あたりの自動車保有台数が全国一となっている。驚くべきことは、一世帯当たりの生命保険の契約額が最も高い。愛情はカネでは買えないが、愛情をカネで表すことはできるのだ。そこには、そこはかとなく家族愛が表現されているのではないか。

 インフラ整備は政治の責任
 地方の雇用は、しかしながら唱えるだけでは降ってもこない、沸いてもこない。地方での雇用の創出は政治の責任である。

 二つの命題がある。
 第一は、製造業、特に輸出関連製造業を地方へ誘致するためには、基幹道路の整備が必要である。基幹道路、空港や港を整備して地方で製造したものをその地方から直接海外へ輸出できるようにすれば必ず輸出関連企業は、その地方へ進出してくれるものと信じる。

 日本版シリコンバレー
 第二は、その地域で産学が連携して、他には類を見ない産業を創設することである。そのためには、各県にある大学を統合しても研究開発に力を発揮できるような体制を持つ大学をつくり、産業界と連携することである。地方ごとに魅力のある製品を作り出すことによって、日本の地域経済は活性化していく。のみならず、そのことによって、われわれは、今失いつつある人間愛を取り戻し、子供の教育は立ち直り、人生の幸せを感じられる社会をつくることができるのだ。
 若者よ!ふるさとに帰ろう!
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