(2007年) 平成19年2月16日(金)
道州制への道のり〜基礎工事は税財政の自立〜

地方行政の効率化

町村合併によって、全国の市町村の数は半減した。町村合併は、いわば地方行政の効率化を目指すものである。地方議員の数や、首長の数も減った。行政事務を広域で束ねることにより、事務の効率化も図れる。

魅力ある地方づくり

われわれの次の課題は魅力ある地方づくりである。他の地方とは一味違うふるさとをつくることである。
 これまでの日本の地方行政は、東京の中央政府のお役人がつくったメニューに従って料理をつくる地方だけが食事にありつけた。全国津々浦々、金太郎飴になってしまう由縁である。これでは魅力ある地方づくりは唱えているだけのお経になってしまう。
 しかも、メニューは中央から押し付けられるうえに、食材を買うお金を東京にもらいに行かねばならない。陳情行政である。
 1000万円の補助金をもらうため、知事が東京に陳情に行く。旅費や宿泊代もかかる。流石に中央官庁のお役人の接待はなくなったと思うが、これは無駄そのものである。従って、魅力ある地方づくりを自分でつくったメニューにより実行していくためには、財政的自立が必須の要件となる。効率性のあとの課題は、独立性である。
 この財政的独立をいかに確保すればよいのか。自民党道州制調査会のもとに「税財政問題検討小委員会」が立ち上げられ、私は小委員長としてこの独立性の問題に真正面から取り組むこととなった。

国と地方の仕事を区分

現在のシステムを財政と言う切り口で見てみると、地方で行う仕事について国と地方がそれぞれ財政負担を行っている。国の仕事と思われるものであっても地方が財政負担をする。それが当たり前だと考えられている。小さな例であるが、私の選挙区に、国営まんのう公園があるが、その運営費は地方で負担している。中央政府は、おカネは少しだして、口は一杯出す、とすら言いたくなる。
 このあいまいな時代には、終止符を打たねばならない。国と地方の仕事を明確に区分し、自分の仕事となれば財政面でも全面的に責任を負うべきだ。
 この場合、第一に地方分権の時代であるから、地方でできることは地方でという原則はあくまでも守るべきである。しかし、地方に委ねるべき仕事であっても、それが国として「日本人がいかなる地域に住もうとも、ナショナルミニマムとして享有すべきもの」は、国が責任をもって財政負担の責任を負うべきである。例えば、義務教育、社会保障、警察、消防の分野である。
 このなかで、地方が実施するとしても、警察・消防については、中央との連絡や連携が大切であり、中央と地方の協力体制が必要である。
 教育・社会保障の分野では、中央は大方針のみをつくり、あとは全て地方にゆだねるべきである。

同じ条件で出発

道州制の出発にあたり、十分議論しておかねばならないのは、各道州間で存在する経済格差をどうするか、という問題である。この格差は解消して出発しない限り、独自性の理念は、再び昔の陳情行政に戻る可能性がある。
 注目すべきはインフラの格差、人口動態、地域の産業構造などである。これらにつき、一定の期間の間、ある程度同じ環境にしていくことが、道州制を長期的に「魅力ある地方づくり」制度にしていくという意味で、大切である。

その上で、ゼロから出発するという覚悟で新しい税制づくりに取り組むべきである。

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