(2006年) 平成19年1月8日(月)
年頭ご挨拶

 新年、明けましておめでとうございます。

人生の節目

 今年は亥年。私は昭和10年生まれの年男である。亥年生まれの国会議員は82名いる。国会は、衆議院議員480名、参議院議員242名の計722名で構成されているから、亥年生まれは、国会議員は全体の11.4%を占めることとなる。干支は12あるから、一つの干支が占める比率は8%強であるから、政治の世界では亥年生まれは突出した存在である、と言えよう。なお、香川県では、6名の国会議員のうち3名が亥年生まれであることを付言しておく。

 亥年生まれは、猪突猛進と言われる。私は有権者の皆様の声に十分に耳を傾けながら、自分の理想に向かって猛進していく政治家であり続けたいと思う。

 また、昭和61年(1986年)夏の総選挙で皆様に国会に送っていただいて以来、20回目の正月を迎えることになる。

初心にかえる

 亥年、国会活動20年という二つの節目を同時に迎えて、私には深く思うことがある。それは初心にかえるということである。

 初心にかえるとは何か。私にとって、初心とは、人間を大切にすることである。人間とは誰か。フランスの政治家タレーランが言っているように、「大統領よりも、総理大臣よりも偉い誰かがいる。それは国民大衆である」という、その国民の最大多数のことである。言い古した言葉であるけれども、最大多数の最大幸福を追求していくことが、まさに、政治家の仕事である。

 もう1つ。初心とは、物事を、基本的・長期的・国際的に考えることである。

 特に今、日本は変革の時代に直面している。しかも、かつて、「欧米に追いつけ追い越せ」と言った時代のように、「欧米」と言うモデルはない。進むべき道は、自ら発見していかなければならないのである。先ず、日本が直面する問題を把握しなければならない。

少子高齢化

 第一の問題点は、急速な少子高齢化社会の到来と、ライフ・スタイルの変化である。

 少子高齢化は、単に子供の数が減った、お年寄りが増えたという問題ではない。日本の経済や社会にとって大きくて深刻な影響をもたらす。

外国人労働

 一つは、労働力不足にどう対処するか、という問題である。女性やお年寄りに労働市場に参加してもらう、ということ以外に、外国人労働者の移入をどう考えるか。その社会コストをどうするか、の問題である。

年金

 第二に、世代間の助け合いである年金が、出生率が現在の1.26ではやがて崩壊する。年金制度の抜本的な手直しをすべきである。

 私の考え方は、基礎年金は全て税で賄う。但し、年金受給年齢になって一定以上の所得があるものには、基礎年金は支払わない。また、年金保険料は、パート・タイマーであっても支払うものとする。そうすれば、年金徴収の問題(社会保険庁の問題)、正規・非正規労働の問題も解決すると信じる。

教育

 第三に、教育問題である。子供の数が少なくなると、家庭でも社会でも子供同士が触れいう機会が少なくなる。子供が自分の部屋でパソコン・ゲームに耽溺する。親や先生が子供に遠慮する。これでは子供の教育にならない。イジメもこのような子供を取り巻く環境が温床となっている。曽野綾子先生が、「教育と言う川の流れがあるとすれば、最初の清冽な一滴は家庭から」と言っておられる様に、先ず家庭がしっかりすべきである。家族一同、夕食のテーブルを囲んで語り合うことが、その第一歩ではないか。夫婦共稼ぎの場合は、お母さんが仕事から帰ってから夕食の支度をするのでは、時間が遅くなる。これらのことを考え合わせれば、三世代同居が少子高齢化の時代に特に重要な処方箋であろう(福井県は全国47都道府県のうち、唯一出生率が改善している県であるが、3世代同居率が全国一高いことも参考となろう)。

 第四に、上記の三世代同居率を高めるためには(少なくとも味噌汁の冷めない距離に親・子・孫が住むためには)、まず子供たちの働く場所が地方に確立されなければならない。地方の子供たちが高校を卒業して、東京や大阪の大学へ進学する。そして、そのまま大都会で就職して地方には帰ってこない。彼らは生涯の伴侶を大都会で見つけることが困難であり、結婚年齢も高くなる。ようやく結婚しても住んでいるアパートは狭く、あかちゃんが夜鳴きをすると近所迷惑になるからと、あかちゃんを作りたがらない。

 これが、高度成長の道を歩んできたこれまでの日本の姿だ。これまでの道のりには、サヨウナラを告げなければならない。

 日本は、少子高齢化時代を迎えて、今どの道を行くのか決断のときである。「マネー」の国となるのか、それとも「ものづくり」の国として世界にメッセージを発していくのか、言うまでもないが、「ものづくり」の国の道を日本は歩み続けるべきである。

 そのためには、「マネー」の仕事は東京に任せよう。そして、地方が「ものづくり」の主役となっていこう。すでに、その兆候が見え始めている。大都市では、土地や労働コストの問題から見て、「ものづくり」の国際競争力はかなり抑えられるからである。

 国は、「ものづくり」を都会から地方へ、シフトしていくべく応援をしなければならない。例えば、都市から地方へと事業用資産を買い替えをした場合には、税制面で大きく優遇措置をとるべきだ。地方の子供たちが、大学は東京や大阪へ行っても、卒業後、地方に戻ってくる、そして父母、祖父母と共に生活できる世の中を、政治の責任で作っていかなければならない。

 私は、かかる課題に取り組むため、昨年末、同志の坂本由紀子参議院議員とともに勉強会を立ち上げた。

道州制ー国のかたちを変えよう

 政治家として取り組むべき課題の第二は、行政システムのさらなる効率化である。血税の無駄遣いは絶対に「ノー」という覚悟である。それは小泉路線の継承強化でもある。

 大きな課題としては、道州制への道筋を早期に画き、実現していくこと、である。このことは、効率性の問題だけではない。地方の独立性、独自性の問題でもある。財政上の独立性と、施策の独自性にもとづく特色のある地方作りが課題となる。まさに日本と言う国の姿、カタチに大きなメスを入れる仕事である。私は、自民党の道州制調査会のもとで、小委員長としてこの問題に取り組む覚悟である。

外交と防衛はコインの裏表

 私にとっての第三の課題は、同じ目線で開発途上国とつきあっていくことだ。政治家の根本的な責務は国の安全保障である。そして安全保障は、外交と防衛の両者が一体となって対応すべきものである。言い換えれば、外交と防衛は、同じコインの裏表であるとすら言える。その背景にあるものは、脅威の対象が昔に比べて質的に大きく変わってきたことである。

 過去においては、脅威は「国家」であった。すなわち、戦争は国家対国家の戦いであったが、2001年9月11日のニューヨークテロ事件以来、脅威は国家ではなく、国境を越えたテロリストとなった。現在の戦争は、まさにテロリストや大量破壊兵器をもつ「ならずもの国家」であり、このようなテロリスト対国際社会の戦争となった。まさに、人類益を守るための闘いとなってきた。だからこそ、国際社会が協調して、脅威に対処していくことが不可欠になっているのである。

 アメリカの核の傘のもとに、日本の安全保障を守っていくことは、もちろん必要であるが、それと同時に、できる限り多くの国々と単に経済援助のみならず、心の通い合う付き合いをしていくことが必要となってくる。そして、そのような付き合いのなかから、日本の悲願である国連の安保常任理事国の椅子も日本にゆだねられることになろう。アメリカには何事にも「イエス・サー」、開発途上国に対しては経済援助だけをしておけばよいという姿勢は、大いに反省しなければならない。

 具体的に説明してみよう。アフリカには53カ国あるが、日本が大使館を設置しているのは、わずか25カ国である。しかもアフリカが日本へ大使館を置いているのに日本がアフリカに大使館を出していない国は10カ国もある。(平成19年には、このうち3カ国には日本から大使館を設置することとなった)。これに対して、中国はアフリカの45カ国に大使館を置いている。

 心の通い合う関係を築きたいという思いで、昨年は2度にわたってアフリカ諸国を訪問した。モザンビークのフレリモ党大会へもゲストとして招待され、2000名に余るフレリモ党党員の前で演説もした。「夢の実現のために努力してほしい。日本は、そのためのサポータとなる。しかし、選手とサポータとの間の心が通わなければ、いかなるサポートも意味がない」ということを是非語りかけたかった。

 今年も、開発途上国との付き合いに力を注いでまいりたい。それが少しでも将来の日本の安全保障につながればと思うからである。

本年も格別のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

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