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(2006年) 平成18年9月26日(火) |
フランスのシンクタンクに論文を掲載 |
![]() フランスのシンクタンクである「政治改革基金」(Fondation pour l'innovation politique)の刊行書(「2050」(Deux mille cinquente)に、大野功統の論文が掲載されたので紹介する(写真は同誌表紙と論文の1頁目)。なお、同誌の編集長からは、大野の論文に対し「われわれの研究に多大なる貢献をされたものであり、格別の関心を喚び起すもの」と高く評価している。 大野が書いた論文の題名は、高齢化社会の問題であり、タイトルは「長生きできるよろこびを心配のタネにしてはならない」というものである。以下、簡単に紹介する。 日本人の平均寿命は、伸び続け、2050年には男性が81歳を超え、助成が90歳となると見込まれる。ただし、男女間の格差が外国では縮小していくのに、日本では拡大している。退職後、男性は女性に比べ、人生を楽しめないのだろうか。他面、ドイツ、イタリア、スペインなどと共に、少子化は進行し、特殊出生率は1.27(最新データでは1.25)となった。 日本の年金制度は、助け合いである。現在、65歳以上の年金受給者1人を3.6人の若者が支えているが、2050年には、1.4人で支える必要がある。 ![]() 人生の幸せとは何か。まず「健康」、ついで「ふれあい」、そして「多少のカネ」がなくてはならない。健康とふれあいについては、第一に個人の努力が必要であるが、年金等のカネの問題は、政治が主役として絶対に取り組まねばならない問題である。 少子化をくいとめるためには、例えばフランスに学んで家族政策を真剣に考えていくべきである。私が自民党の年金制度調査会長として現在の年金改革を取りまとめたときのことである。私はアメリカ上院の高齢者特別委員会(委員長はクレイグ氏)で、日本の「年金改革」について証言し、次のように述べた(2004年5月18日) 21世紀末には、日本の人口は半減する。現在、30歳までに結婚する女性は、3分の1である。このような中で、年金改革が是非必要である。日本人のDNAはなんといっても老後の「安心」が第一である。 「安心」のために、年金改革は痛みを伴った。これまで現役の勤労所得の60%を年金支給の目標としていたのが、これを50%とした。年金のため、所得の13.58%を拠出していたが、これを18.3%に引き上げた(ただし、14年間にわたって毎年0.354%の引き上げ)。基礎年金の3分の1を税でまかなっていたが、これを2分の1に引き上げた。 日本では、年齢は若い世代からお年寄りへの贈り物と考えられている。しかし、これでは少子化の時代、年金は世代間の不公平をもたらす。私の年代(1935年生まれ)では、支払った拠出額の8倍の年金を受け取れるが、1985年生まれ以上の世代では、わずか2〜3倍しか受け取れない。問題解決のすべては、子供を多く作ることである。我々は、家族政策に直ちに真剣に取り組むべきである。 その一つの方策は、税制である。日本でも、フランスの所得税ー家族数が増えれば増えるほど、税の支払額が低くなるー議論されるようになった。また、日本では、教育費が高すぎるというのが子供を多くもたない理由の一つである。フランスのように、育児手当を充実すべきである。つまり、歳出歳入の両面からの対策が必要だ。子供のためにフランスではGDPの3%が充てられているが、日本ではGDP比でフランスの5分の1くらいか。さらに、3世代同居についても(これは外国では理解を得られないかもしれないが)何か政策手段はないか(所得税、相続税など)。(考えてみると、日本の47都道府県の中で、唯一出生率が改善しているのは福井県であり、福井県の特徴は、@3世代同居率が一番高い、A女性の労働率が一番高い、B乗用車の世帯あたりの保有数が一番高い、である。注目すべきではないか。 日本が進めてきた構造改革は、絶対に必要だ。しかし、構造改革のあと、人間の幸せ、安心を達成するには、どう政治が取り組むべきか。これがこれからの課題である。 |
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