(2005年) 平成18年5月15日(月)
コスタリカ大統領就任式

日本政府を代表して、コスタリカ大統領就任式に特派大使として出席した。妻を同伴した。

まずコスタリカの特色について記しておく。第一に、コスタリカは軍備を持たない国である。憲法で、必要があれば軍を持つことができる旨を規定しているが、1948年の内戦後、軍備放棄を宣言し、憲法でも常備軍の保有の禁止を規定した。1983年には、非武装中立宣言を行っている。第二に、選挙制度である。コスタリカでは、国会は一院制であり、57人の議員により成り立っているが(女性議員は22名、38.6%)、連続再選は禁止されている。つまり一度お休みをしないと議員として再選されることはない。現在、この制度の下で3期当選者が最高で1人いる由。また、1969年に、大統領には常に新しい人材を就任させるべきとして憲法が改正されたが、2003年には、8年間以上の間隔をおけば再選が可能となった。1995年、アリアス大統領が大統領職を辞めた後に日本を訪れた際、森前総理、二階大臣、そして私の3人でおもてなしをしたが、この選挙のコスタリカ方式が議論された。これが日本で小選挙区と比例代表との間で交代する制度、つまり日本式コスタリカ制度のヒントになったものである。第三の特色は、自然と人が美しいことである。コスタリカという名前の由来であるが、1502年にコロンブスがコスタリカ領内に到着、その後、スペイン人が殖民を始め、1539年、コスタリカ(富める海岸)という名前がつけられたのだそうだ。火山国であり、美しい自然に恵まれているコスタリカ。国土の4分の1が国立公園や自然保護区に指定されている。地球上の全動植物種の約5%が生息するといわれ、とりわけ蝶々や鳥は多様である。美人国3Cとしても有名である。3Cとは、Costa Rica, Columbia, Chiliである。以上が、私が感じたコスタリカの3つの特色である。

さて、大統領就任式は、国立競技場で行われた。各国代表者の顔ぶれの中には、ローラ・ブッシュ・米大統領夫人、ワレサ・元ポーランド大統領、陳水扁・台湾総統、フェリペ・スペイン皇太子が見える。私は、大統領就任式の翌日、アリアス大統領を私邸に訪ねて、約?分懇談した。そこで当方から申し上げたことは、第一に大統領就任のお喜び、第二に日本が選挙制度としてコスタリカ方式を適用したヒントになったアリアス大統領の言葉への感謝、第三に日本の国連安保理常任理事国入りに対する支持のお願い、の3点であった。アリアス大統領からは、安保理常任理事国入りの意志は十分承知しているとのこと、また最近行われた下水処理のための円借款について感謝の言葉があった。同席していた、?からは、技術指導者を日本から派遣してほしいとの要望があり、引き受けたとの趣旨を述べておいた。ついで、チンチージャ第一副大統領執務室に訪問し、懇談を行った。

また、コスタリカを訪問する前にワシントンとドミニカに立ち寄った。ワシントンは、毎年ゴールデンウィーク中に行われている日米議員討論会ならびに日米韓議員討論会に、議長として参加するためであり、ドミニカ共和国は友好議員連盟の会長として副大統領と会談するためだ。さて、日米国会議員会議であるが、今年は5月2日から5月4日の期間であった。最終日には、ハスタード下院議長主催の昼食会があった。ハスタードの要請で、私もとっさのスピーチを行ったが、毛利元就の3本の矢を引用して、「日米韓が協力することが世界平和の礎であると」述べたところ、大いに受けた。ついで、「協力関係は人の心と心のふれあいが基礎となる。日本では、ノミニケーションという言葉があるが、これは日本語と英語の愛の子の言葉であり、このような言葉を発明する能力を日本人は持っている。ノミは飲む、ニケーションはコミュニケーションの略で、飲みながら意思疎通を図ることが大事だ」、と説明しておいた。皆爆笑。昼食であるからアルコールはなかったが、次は夕食で飲もうという声が上がった。討論会の議題は多様であるが、特記すべきはアメリカの発言の多くが牛肉の早期輸入再開についてであったことだ。



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