(2005年) 平成17年11月1日(火)
長い間ありがとう!日本のために頑張って!
−離任にあたって−

 おはようございます。振り返ってみますとこの1年間皆様のお支えによりまして、私、大野功統にとりましては、日々が充実した日の連続でございました。これも全て、皆様のおかげでございます。ここに改めて、厚く厚く御礼申し上げる次第でございます。その充実した日々を、今、思い返してみますと、まさに私にとりまして一生の思い出として、宝物として、持ち続けるであろう、そんな気がする次第でございます。その一端をご披露申し上げて、今日の離任のご挨拶にさせていただきたいと思います。
 まず第一になんと言っても、我が自衛隊の諸君の活動が、国の内外で高く評価され、感謝されている。このことでございます。
 私は、昨年12月でございますが、サマーワへ参りました。その時に、自衛隊の諸君が、サマーワの人々との間にすばらしい心の架け橋を架けてくれた。このことは、今、思い出しても、誠に素晴らしい光景であります。子供達が自衛隊の諸君に手を振っている姿、これは、私にとりましては、本当に一生忘れられない光景でありました。自衛隊の諸君はインド洋で、そしてスマトラの地震で、パキスタンの地震で大きな大きな活動をしてくれております。そのことは、私は、諸外国の高宮に会いましたとき、必ず先方から感謝の念で迎えてくれる、これが今の自衛隊の姿だな、日本はまさに国際安全保障環境の改善のために、新しい考えで、今、新しい時代の安全保障を担ってくれているんだな、こんな思いで一杯でございます。
 また、新潟県中越地震にも、視察に参りましたけれども、若い自衛官が目を輝かせて、私にこんな事を言ってました。「長官、地元の皆さんが、『本当に自衛隊の皆さんありがとう』、こう言ってくれると益々一生懸命頑張る気持ちが出てくるんです」。まさに人に尽くすこと、そして感謝される喜びというのを、若い自衛官の諸君が学んでくれているんだな。私は感動を覚えました。
 どうぞ皆さんは、日本の安全保障のために、そしてまた、国際平和のために一生懸命頑張っておられます。そして国民の皆様の安心感のよりどころであります。どうぞ、これからも新しい時代をこの国際安全保障環境の改善という大きな大きな目的に向かって、邁進して欲しい。もちろん言うまでもありません。これまでの防衛の考え方、日本の守り、当然のことであります。これからも、この政治の要諦である安心と安全を担って頑張っていただきたいな。こんな思いでございます。
 もう一つは、日米同盟関係の変革であります。
 日米安全保障条約ができたときは、まさに日本が基地を提供して、アメリカ軍がそれを使用して日本の守り、極東の安全平和を維持していく、いわば土地と基地と米軍との協力関係でありました。しかし、新しい時代は、基地の問題ももちろんあります。しかしながら、自衛隊の諸君と、アメリカ軍の兵隊、この人間同士でこの世界平和を守っていこう、グローバルの中で国際安全保障環境を改善していこう、日本を守っていこう、極東の平和と安全を守っていこう、こういう形に今変革しつつあります。このトランスフォーメーション、本当にこれから我々が心してやって行かなくてはいけない大きな仕事であります。また、この米軍の基地再編問題については、これからどうぞ皆さん、真心込めて誠心誠意、地元の皆様に、基地の地元の皆様にお願いをする。そして、この日本の安全保障が日米同盟を中心として、そして国際社会の中で日本が主体的に頑張っていく、こういう姿を目標として、これからも、邁進、ご精励下さいますようお願い申し上げます。
 最後に、今申し上げましたように、日本の自衛隊、日本の防衛庁、本当に国民の皆様の安心と信頼と感謝に取り囲まれておるところであります。しかしながら、最近起こりました薬物事案、覚醒剤事案等、私は憂慮するものであります。国民から寄せられた大きな大きな信頼感、これを絶対に壊してはならない。どうか、皆様が力を合わせて、そして、こういう薬物事案などが二度と発生しないように国民の皆様の信頼と感謝の気持ちを、そして自衛隊にかける夢をどうか壊さないように。これは、皆様お一人お一人が心をひとつにして、全体との間で心をひとつにして取り組んで頂きたい問題かと思っております。
 本当に一年間、私にとりまして、素晴らしい毎日の連続でありました。これも全て、今日お集りの皆さん、そして全国の自衛官の諸君の働き、そして安全保障を思う気持ちが、私の毎日の長官としての生活、仕事、この支えとなってまいりましたことを、今、心から皆様に感謝申し上げる。そして、防衛庁・自衛隊、皆様の益々の今後のご活躍、ご精励を心からお願い申し上げまして、私の離任のご挨拶といたします。本当にありがとうございました。(防衛庁講堂にて防衛庁自衛隊の皆様に対する離任の辞より)


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