(2005年) 平成17年1月4日(水)
防衛庁における長官年頭の辞

 あけましておめでとうございます。新しい年を皆様にはお元気でお迎え頂いたことと存じます。

 昨年は自衛隊の諸官におきましては、イラクの人道復興支援活動、そしてテロ特措法に基づくインド洋での活動、さらに南極観測船の「しらせ」での活躍、それから年末押し迫って急にスマトラ沖の地震がありましたが、急遽、テロ特措法の業務を終えて帰国途中の海上自衛隊の皆様に大活躍をしていただきました。実は昨日の夕方でございますけれども、タイの国防大臣サン・ポン将軍から私のところへ直接電話がありまして、自衛隊、海上自衛隊の活動に対し、大きな大きな賞賛と感謝の言葉がございました。そして、私の方から、自衛隊は国際協力のために頑張っていくんだ、こういう話を致しました。電話の向こうからは、本当に弾んだ声が聞こえて参りました。また、長い間ゴラン高原でも活動いただいております。世界各国で駐在武官がいろいろな意味で活躍をしてくれています。そういう意味で、本当に自衛隊員の活動は国際的に大きく大きく評価されておる次第でございます。 

 また、国内的に見まして、災害派遣、特に新潟県中越地方で災害派遣を致しました。それから台風被害地に災害派遣を致しております。国内からも、自衛隊の皆さんありがとう、こういう声がわき起こってきておるところであります。

 政策的に言いましても、新しい時代を先取りするような新しい防衛大綱を作成致しました。その他数々の仕事を政策面で新しい時代に向けて頑張ってくれております。私は今、新しい時代へ向けての第一歩を踏み出しているんだな、こんな感じで皆様と一緒に仕事をさせていただいていることを誇りに思っている次第であります。今年はご存じのように干支で言いますと酉年であります。酉年と言いますと、ときの声をあげる、こういうことが言われます。鶏鳴暁を告げる、こういうことも言われております。ときの声をあげる、頑張ろうという意味であります。鶏鳴暁を告ぐ、この言葉は、暗闇を破って、そして朝日を呼び起こそう、こういう意味でございます。どうぞ皆さん、心を合わせて新しい時代に挑戦していこうではありませんか。

 また昨年は、防衛庁・自衛隊発足50年の節目の年でありました。昭和29年であると思いますけども、その昭和29年には私の記憶では「七人の侍」という大変有名になった映画がありました。「七人の侍」はまさに何が一番大事かということを教えてくれた映画でありました。皆さんはお若いですからご存じないかもしれませんけども、私が若い時代、青春時代には大変有名で教えられることの多い映画でありました。何がこの世の中で一番大事なのか。それはやっぱり自分たちの生存を守っていくんだ、と。この防衛という仕事は国の安全、国民の安心のための仕事であります。それは世の中にいろいろな仕事があるかもしれないけれども、やはり国の基本の仕事であります。我々はこの国の基本の仕事に携わっているんだ、この国の安心と安全を支えているんだ、こういう使命感をもって、このような自覚をもって、今年も頑張って行こうではありませんか。

 我々は今新しい時代に向けて、大きな第一歩を踏み出しております。その第一歩は何か。それはその背景として、情報や科学技術が発達して参りました。従って、世界は地球はだんだんと小さくなってきている。だからこそ、世界の平和は日本の平和なんだ。今まで我々は国際的に活動することを一方的に貢献する、こんな感じで捉えてきました。しかし今や、これからの新しい時代は世界の平和は日本の平和なんだ、こういう気持ちで頑張っていこうではありませんか。

 また、新しい脅威が出て参りました。この脅威に対応、対抗していくためには、防衛大綱、中期防でも謳われておりますように、やはり非常に多機能な弾力的な効率的な実効的な、こういう備えが必要であります。そのための第一歩を踏み出しているわけでございます。特にここで申し上げたいのは国際的活動についてであります。国際的活動をまさに、イラクを中心に先程申し上げたとおりでありますけれども、イラクのサマーワの市の評議会からは、自衛隊の諸君はまさに平和と安全をサマーワに運んでくれる極東からの平和の鳩である、こういうお手紙を私は頂戴しました。このように我々はこの今申し上げた2つの考え方で新しい時代に挑戦し、頑張っていきたい、皆さんとともに頑張っていきたいと思います。

 いろんな意味で総合性も大事であります。統合性と言っていいかもしれません。あるいは即応性、弾力性ということも大事であります。簡単に申し上げますけれども、今あらゆる意味で仕事の境界線が無くなってきているんではないか。外交と防衛の境界線も無くなってきております。そして自衛隊と警察、あるいは海上保安庁との境界線も次第に無くなりつつある。どうか皆さん、セクショナリズムを廃していこうではありませんか。いろんな意味で考え直すべき点は考え直して行かなくてはいけない。我々は新しい時代のシステムを基本的に長期的にそして国際的視野の中で考え直す、これが新しい時代を迎える新しい夜明けを迎える今年の我々の重大な責務ではないか、私はこのように思っておる次第であります。

 新しい年の課題はたくさんございます。どうか力を合わせて頑張って参りましょう。特に今申し上げましたような、新しい防衛大綱の下での防衛力作り、そしてまた今年はトランスフォーメーションの問題もあります。それから、国際協力業務の本来任務化というシステムを作っていかなくてはならない。あるいはBMDの問題もこれからきちっとその手続きを論じていかなくてはならない。シビリアンコントロールをきちっと守りながら、この即応性、弾力性、こういうことを考えなくてはいけない。そして、我々長年期待しておりました、願望しておりました、いよいよ省昇格、防衛庁ではなくて防衛省としての昇格問題も出て参ります。今年は先程申し上げましたとおり、酉年であります。この酉がですね、大きな声で、変えようではないか防衛省に、こういうふうに鳴いてくれることを期待しておるものでございます。今年もどうぞ自衛隊の諸官、そして防衛庁の諸君、皆様心を合わせて新しい時代に挑戦する、そしてどうか今年は皆様にとりまして幸多き年となりますように、また御健康に十分注意をされて大活躍をされますように、心からお祈りする次第でございます。

 自衛隊諸官並びに御家族の皆さん、全国各地で、世界で活躍する皆さん、防衛庁・自衛隊にとりまして、今年が飛躍的な年でありますように、発展する年でありますように、心からお祈りお願いを申し上げまして、私の年頭の訓示とさせていただきます。お互いに頑張って行きましょう。ありがとうございます。




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