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(2004年) 平成16年5月14日(金) |
政治家の国民年金未加入・未納問題 |
1986年以来、国会議員にとって国民年金は強制加入となっている。にもかかわらず、多くの国会議員が国民年金に加入していなかった期間があるということで、先ず永田町で非難合戦が始まり、国民のブーイングを喚起している。先ずこの問題の反省から始めてみたい。 国会議員の場合、未加入問題は、錯誤によるものと思う。@議員年金に加入していれば、国民年金には加入しなくてよい、A内閣に入り、大臣、副大臣、政務次官等として行政の仕事をしている時は、当然、共済年金に自動的に入っているものと錯覚してしまう、などが大きな未加入の原因である(運用面からこれを見ると、このように身分の移動がある国会議員については、国会の事務局で監視するシステムをつくるべきであり、これは今回の反省のうえに立って、国会議員の場合は歳費から国民年金保険料の引き落しを行うようにすることとなった)。 しかし、錯誤であれ何であれ、政治の真髄は「政治への国民の信頼」である。年金制度を論じる政治家が自分の年金問題は自分が理解した上で処理しておくべきであろう。 日本料理(国民年金)の料理人が自分だけは、フランス料理(議員年金)で過すということは、信頼という物差しで理解できることではない。当然議員年金も再検討はすべきであることは言うまでもない。これは、国民の政治に対する信頼感の問題である。 第二に、しかしながら、年金保険料は、支払い当事者に直接的な反対給付のあるものである。そこが税金とは全く異なった性格のものであることは理解していただきたい。従って保険料を「払わされた」とか「徴収された」という感覚のものではなく、「自助」のため支払っている、という感覚を是非持っていただきたい、と思う。その「自助」のこころは「共助」につながる。そして、将来、年をとって収入がなくなった時の「リスク」をお互いにシェアーするとい年金の世界は、税金でも支えられている(国民年金であれば支払った保険料の1.7倍は返ってくる。これほど有利なシステムはどこを探してもない)。だから「払わにゃ、損ソン」なのだ。 一般論として、問題は、保険料が上ることである。言うまでもないが、その原因は、少子高齢化である。日本の年金は、世代間の扶け合いをベースにつくられている制度である。支える若者の数が減っていくと、残念ながら、保険料は上げざるを得ない、給付は下げざるを得ない。政治家としてこれは極めて厳しい仕事である。しかし、長生きという人生のよろこびを経済に不安にしてはならない。政治家が国民年金未加入問題で特に非難されるのは、前述のとおり、@保険料が上る、A国会議員は議員年金があるではないか、という2つの要素が背景になることは言うまでもない。 民主党の案は、@自分の保険料は必ず自分に戻ってくるという個人勘定の世界で考えており、助け合いの思想がない。しかし、保険料は上げない。Aしかし、給付で不足する分は、消費税をアップしてまかなうというものである。 この民主党案に対して、私は、@高額所得の年金受給者には、少し年金を遠慮してもらい、それを所得の低い方に廻すという考え、若い人からの高齢者に対する贈り物という考えを年金の世界から排除してしまってよいのか。 A税金を新しく大量に年金に注ぎこんでよいのか。医療や介護についてはどう考えればよいのか、など基本的な疑念を持っている。 だからこそ、私は今の与党案が「現状では、ベストの選択」と信じている。早く国民年金未納問題に終止符を打ち、法案を成立させなければならない。改革が一日遅れれば、それだけ次の改革は厳しくなるのだ。それがドラマチックな少子高齢化を迎えている日本の年金問題である。 法案を成立させたうえ、早く次の課題に取り組みたい。年金一元化である。最大の課題は、国民年金被保険者にも是非年金の「共助」の世界に入ってもらいたい、ということである。国民年金被保険者2,200万人のうち、少なくとも700万人は国税の納税者である。これらの方々の所得は把握されている。他の方々の所得把握は極めて難しいが、社会保険料は自己を支えるためのものである。自主申告でもよいではないか。 人類愛に支えられた「扶け合い」のこころこそ、今、日本で一番大切なものであり、これを排除するのではなく、育てていくべきものではないか。 最後に、自民党だけが、党として年金未加入、未納の議員の氏名を公表しないのはズルイとのお叱りをよく頂戴する。しかし、年金の加入・未加入は全く個人の問題である。そのことで政党間のキレイ・ゴッコをしてはならない。政党間で争うべきは改革論争である。年金を政争の具にしてキレイ・ゴッコをした党があったため、お互いに傷ついているのではないか。更に政治不信を深めていくようなことになれば、政治が払っている明るい日本のための努力はどこへ行ってしまうのだろうか。 |
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