(2000年) 平成12年12月8日(金)
 21世紀のキーワード

21世紀の国家像─

 1941年―つまり約60年前の今日、日本は太平洋戦争に突入した。今日、振り返ってみれば、日本がアメリカと戦うことがいかに愚挙に過ぎないかは、誰の目にも明らかである。しかし、1941年の山本五十六提督のような良識派は、時の流れに押し流されたのであろうか。良識派は、なぜ身体をはって戦争を止めなかったのであろうか。

 21世紀まであと24日、政治に携わるものとして、21世紀の日本の平和と繁栄と安らぎを確かなものとするために、常に21世紀の日本の国家像を明確に画いていなければならないと思う。その国家像や目指すべき理念と違うものが出現しそうになったら、全力をあげて戦わねばならぬと思う。

 その国家像とは何か。21世紀のキーワードとは何か。私は次の3つを挙げたい。

(1)透明性

 政治の意志決定は、激論の中でなされるべきである。政治主導の時代にあっては、政治の意志決定は国民の眼に見える形でなされ、国民に支持されなければならない。

 行政の意志決定も、また然り。政治は行政の運用ルールをつくる以外は、運用に介入してはならない。ルールの下に関係者が参加するからこそ、一番良い結果が生まれる。日本の競争力が出てくる。

 だからこそ、経済に対する政治や行政の介入は必要最小限に止めなければならない。民間に委ねられるものは民間に委ねる。規制緩和を推し進めることが必要である。

(2)安心

 透明性、効率性を求める社会では、必ず敗者が生まれる。

 経済の敗者には、敗者復活戦の機会を与えるべきである。そのためには、直接金融市場を育てなければならない。銀行から借りたカネは、返済しなければならないが、株式市場で調達したカネは、失敗しても返済する必要はない。

 社会の弱者には、社会保証の充実が絶対である。

(3)ココロとモノのバランスの回復

 家族を愛する気持ち、ふるさとや国を愛する気持ち、人間を愛する気持ちを育てなければならない。教育のあり方は、是非考え直さなければならない。



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